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  1. 13.4.17 弱みを強みに

弱みを強みに

7月に迫る、当スタジオの舞台「くるみ割り人形全幕」。この舞台で今回、一つの決断をしました。それは、男性が演じるのが当然とされてきた役、具体的には「ネズミの王様」「ドロッセルマイヤー」を、女性に演じてもらうことにしたのです。葛藤はありましたが、たくさんの男性ゲストダンサーを招くと、どうしても生徒さんの経済的負担が増えてしまう。それを抑え、バレエへの扉をもっともっと広いものにするために下した決断でした。

唯一のゲストダンサー

そして先日、一人だけの大切な男性ゲストダンサーがリハーサルのために、下関まで来てくださいました。そのダンサーは陳秀介さん。新国立劇場バレエ団のアシスタントバレエマスターを務める、経験豊富なダンサーです。

スタジオに到着すると、すぐに演出の話になりました。限られたダンサーと装置で、どうやって充実した舞台を作っていくか。こちらのプランをお話すると、真剣に耳をかたむけてくれる陳さん。もちろん、「ネズミの王様」と「ドロッセルマイヤー」を女性が演じることについてもお話しました。

見方をかえれば

陳さんの長い経験でも、この2役を女性が演じるというのは初めてとのこと。ですが、「この配役を弱みだと思わないで、女性が演じることを強みにできる、新しい演出や振付を考えましょう。面白いじゃないですか!」と、さまざまな演出や振付のプランをご提案くださいました。

正直なところ心配な部分もあった配役なのですが、陳さんがおっしゃるとおり、見方を変えれば確かに「面白い」のです。今回の舞台メンバーにしか作ることができない、私たちのくるみ割り人形を作ろう。陳さんの一言で、強くそう思わされました。

早いテンポの良さ

そしてリハーサルでは、冗談と厳しさを織り交ぜながら陳さんがテンポ良く振りを付け、生徒さんがそれに必死についていっていました。中には初めて男性と踊る方もいて、「腰や手を持たれることを違和感なく受け入れられるかな…」と心配していたのですが、早い振り付けのテンポのおかげでそんな事など気にすることもなく、リハーサルを終えることができました。色々な方のご助力をいただきながら、みんなで舞台作りを続けて行きたいと思います。